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純肉の普及を目指すインテグリカルチャー株式会社に、出資しました
株式会社グローカリンク(東京都新宿区 代表取締役 長谷川和宏、以下グローカリンク)は、細胞培養によって生産する食肉「純肉」の普及を目指すインテグリカルチャー株式会社に、グローカリンクを引受先とした第三者割当増資により、2016/12/28日付で資金調達を実施いたしました。
今回の資金調達で得た総額496万円の開発資金により、原材料の大半を成す培養液の動物由来成分フリー化と低価格化、およびこの培養液を運用する大規模化可能な還流培養技術の開発を加速し、純肉の早期市場投入を目指します。
詳細は下記(もしくはインテグリカルチャー社web)をご覧ください。
記
第三者割当増資による資金調達のお知らせ
– 開発資金増加により細胞培養による食肉生産の事業化を加速 –
細胞培養によって生産する食肉「純肉」(培養肉)の普及を目指すインテグリカルチャー株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:羽生雄毅、以下、「当社」という。)は、株式会社リバネスが主催する「第2回アグリサイエンスグランプリ」において最優秀賞を受賞し、賞金及び事業投資500万円を受ける権利を獲得しました。さらに、当社は2016/12/28日付で本権利を行使し、株式会社リバネスの子会社である株式会社グローカリンクを引受先とした第三者割当増資により、資金調達を実施いたしました。
1.当社の開発実績
当社は、細胞培養によって生産する食肉「純肉」を消費者の手の届く価格帯で提供することで、食肉生産による環境負荷と公衆衛生上のリスクを除去し、世界中で高まる食肉需要に対して持続可能な供給手段を提供することを目指しています。
ビジョンの実現に向けて、当社では原材料コストの大半を成す培養液の低価格化と、細胞培養の大規模化技術を開発しています。
従来の細胞培養方法で純肉を生産するには100gで数百万円のコストがかかりました。そこで当社では、動物由来成分フリーで低価格な培養液と、この培養液をフロープロセスにより大規模に運用可能な培養システムを試作し、純肉の製造コストを4万円程度に下げる技術を開発しました。
2.今後の事業化計画
当社が開発する動物由来成分を含まない低価格培養液、およびこの培養液を大規模に運用可能な培養技術は、純肉を低価格で量産できることを最大の特徴としています。
これまでに多くの研究機関や事業者などにヒアリング調査をしてきた結果、純肉生産の最大の課題が生産システムの大規模化と原材料の低価格化にあることを突き止め、独自の低価格培養液と大規模化可能な還流培養技術(特許取得済み)の開発に努めてまいりました。
今後は、今回の資金調達で得た資金を含む開発資金により、価格低減と生産システムの大規模化を段階的に実現し、2018年中の培養フォアグラの試作、そして2021年の市場投入を目指します。
2025年には現行の一般食肉との価格等価を実現し、増加を続ける世界の食肉需要に対して持続可能な供給手段を実現し、世界における食の安全の確保に貢献してまいります。
■当社の低価格培養液について
現行の培養液に含まれる牛胎児血清(FBS)を一般食品を原料とする「FBS代替」で置換することで動物由来成分を不使用にし、価格を大幅に低減した培養液です。
後述する培養システム(特許取得済み)とともに利用することで、純肉の生産に必要な培養液のコストを、1リットルあたり10円以下、従来の10,000分の1まで低減します。
■当社の培養システムについて
細胞の増殖を促す成分を発する細胞と筋肉細胞等を同時に培養することで、上記の低価格培養液の効能を大幅に引き上げ、純肉の効率的な生産を可能とするシステムです。現行の使い捨てのバッチ式と異なり、弊社の培養システムは連続フロー式で細胞培養を行うため、並列化や大型化によるスケールアップが可能です。
■インテグリカルチャー株式会社について
創立日: 2015年10月 代表取締役:羽生雄毅
低価格な無血清培地を用いた、フロー方式の大規模細胞培養システムを開発することで、純肉の価格を従来の1/1000に下げるブレークスルーを達成ている。開発はさらに進行中。
https://www.integriculture.co/
グローカリンクでは、2012年より、親会社である株式会社リバネスが実施するシードアクセラレーショプログラム「TECH PLANTER」の育成対象企業への試作品開発等の投資育成を行っております。グローカリンクでは本年度も行われるTECH PLANTERにて支援先の発掘を行っていきます。
TECH PLANTER ホームページ https://techplanter.com/
なお、インテグリカルチャー株式会社は第2回「アグリディープテックグランプリ」にて最優秀賞を受賞しています。